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    私たちの家庭の台所から必ず出てくるのが生ごみです。
    その中身は半分が調理くず、残り半分は食べ残しや手付かずなどで捨てられています。まずは、ご馳走を作り過ぎないこと、そして余分に買い過ぎないことでしょう。冷蔵庫の奥から、買ったことすら忘れていたり、賞味期限切れの物を見つけて捨てた経験に、大抵の方は思い当たるのでは? 冷蔵庫はごみを冷やし続けていたことにもなり、エネルギーの無駄遣いにもなってしまいます。

     

    生ごみにいいイメージを持つ人は殆ど無いでしょうが、つい今しがたまでまな板の上で食材の一部として受け入れていた物が、三角コーナーに入れたとたんに生ごみと化し、嫌われ者になってしまうのは、不思議な気がしないでもありません。
    では、なぜ生ごみが嫌われるのでしょう。非常に腐りやすいからで、特に夏場はすぐに腐り始めます。悪臭がして、汚れた水が出て、ハエが産卵・繁殖にやって来ます。
    それは、生ごみには水分が多く、かつ養分が多いことから、空気中の腐敗微生物(腐敗菌)が取り付いて活発に活動を始めることが原因です。

     

    私たちは、生ごみを週2回の回収日に出すと、パッカー車が持って行ってくれますが、生ごみの80%は水分です。ですから、パッカー車は水を運んでいることになります。そして焼却場では、重油を添加して水を燃やしていることになります。せめて一晩はザルに入れて、できる限り水気を切ってから出しましょう。これだけで約10%の水分を減らすことできます。

     

    ごみ減量に取り組む行政では、ビン、カン、プラ類などのリサイクル化が進み、最後に残るのが生ごみの問題です。津市では多くの自治体同様に家庭へのコンポスターや電動処理機の購入に補助金を出していますが、ここ数年はその数があまり伸びていません。また、折角補助金を出してもらったにもかかわらず、使い勝手が悪いと止めてしまうことも多々あります。

     

    そこで津市では現在、生ごみ堆肥づくり講習会を開催しようと検討しています。
    今のところ、お金を掛けずに誰もが手軽に取り組めるようにと、段ボール箱を使った方法を考えていますが、正直なところお勧めできません。雨に当たらないよう屋内で行うために、悪臭などで失敗する例が多く、また、できたものは未熟のため、堆肥として使用すると土中で腐敗を起こして、野菜や花に害が出てしまうなど、問題点が多いからです。

     

    先日2月29日(土)、津市環境政策課の担当者と一緒に、松阪市飯南町で行われた生ごみ堆肥づくり講習会に行って来ました。飯南町では松阪市との合併以前から生ごみ堆肥づくりに取り組み、19年も継続して行われていますが、高齢化などで熟練者が減少し、再度講習会を開催したとのこと。講師の橋本力男氏から堆肥とは何か、腐敗と発酵の違いなど分かりやすいお話の後、最後は床材作りの実習まで午前9時から午後4時まで1日がかりの講習会でした。いい堆肥を作るからこそ継続して行うことができるのでしょう。

          

     

    行政が取り組む例として、三重県内では鳥羽市が完熟の生ごみ堆肥づくりのシステムづくりに成功し、全国や世界中から見学者が訪れていると聞きます。市の担当者にはぜひ一度訪問するよう勧めたところです。

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